法定相続分についてよく分かる|相続の割合と計算方法を徹底解説

夫が亡くなりました。子はいません。夫の父母・祖父母もすでに亡くなっています。妻である私と、夫の弟・妹が相続人になると聞きましたが、私はどれくらいの割合で相続できるのでしょうか。遺言書はありません。

今回は法定相続分について説明します。

被相続人が亡くなって、相続が開始された場合、だれが相続人になるか(法定相続人)は民法に規定されています(民法887条~890条)。

それでは、各相続人は、被相続人の遺産をどれくらいの割合(相続分)で相続できるのかというと、基本的には、

  1. 被相続人の遺言に各相続人の相続分が定められている場合(指定相続分)、指定相続分に従う
  2. 被相続人の遺言に指定相続分が定められていない場合、民法に定められる相続分(法定相続分)に従う

こととなります。

民法に定められる法定相続分は、各相続人の組み合わせによって、相続の割合が異なってきます。

また、同じ順位の相続人(子・直系尊属・兄弟姉妹)が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられ、その結果、一人当たりの法定相続分は小さくなります。

さらに、各相続人には、最低限の取り分(遺留分)が保証されていますが(民法1032条)、相続人が複数いる場合、遺留分の計算も法定相続分に基づいて行われます。

今回は、法定相続分について詳しく説明します。

なお、相続人(法定相続人)については、次の記事を参考にしてください。

こんな人に読んでほしい
  • 相続の割合がどのように決まるか分からない
  • 法定相続分について分からない
  • 法定相続分の計算の方法が分からない

1 そもそも相続分とは

まず、そもそも相続分とは何かについてまず確認しておきましょう。

相続分とは、被相続人の遺産に対する各相続人の持ち分(相続の割合)をいいます。

通常、1/2とか、1/3とか分数で表現することが多いと思います。つまり、遺産の1/2、1/3を相続できるという意味ですね。

実務上、相続分としては、指定相続分・法定相続分・具体的相続分の3つの用語を使い分けていますので、それぞれ簡単に説明しましょう。

具体的相続分が定まるまでのイメージです。
具体的相続分が定まるまでの流れ

1-1 遺言に定められる指定相続分

まず、指定相続分です。

被相続人は、遺言で各相続人の相続分を定めることができます(民法902条)。

この遺言で指定される相続分のことを指定相続分といいます。

1-2に述べるとおり、民法には相続分(法定相続分)が定められているのですが、遺言に指定相続分が定められている場合、法定相続分よりも指定相続分が優先的されます。

できるだけ遺言者の意思を尊重しようとする考えがあるからです。

指定相続分は自由に定められますから、例えば、ある相続人の相続分をゼロにする(遺産を相続させない)とすることもできます。また、子が複数いる場合に、ある子だけ他の子よりも相続分を大きくすることもできます。

ただし、遺言で相続分がゼロとされたとしても、各相続人には、最低限の遺産の取り分として、遺留分が保証されています(民法1032条)。 

民法902条(遺言による相続分の指定)
1 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。

1-2 民法に定められる法定相続分

遺言で指定相続分が定められていなくても、相続人が一人であれば問題はありません。その相続人がすべての遺産を相続すればよいからです。

問題は、複数の相続人がいる場合です。

相続分の基準がないと、各相続人が「もっと私にくれ」と話がまとまりません。

そこで、遺言で指定相続分が定められていない場合のため、民法には相続分が定められています(民法900条)。

これを法定相続分といいます。

法定相続分が適用されるのは次の場合です。

  1. 遺言に指定相続分が定められていない場合
  2. 遺言に一部の相続人についてのみ指定相続分が定められている場合

①についてはわかりやすいと思いますが、②も重要です。

一部の相続人についてしか指定相続分が定められていないと、他の相続人の相続分をどうすればよいかわからなくなるからです。

民法では、各相続人の法定相続分は、

  • 配偶者と子
  • 配偶者と直系尊属
  • 配偶者と兄弟姉妹

といった相続人の組み合わせによって異なります。

後で詳しく説明しますが、配偶者との比較において、被相続人との立場が遠くなるほど法定相続分は小さくなっています。

また、子、直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合、法定相続分は平等に分けられますから、結果として、一人当たりの法定相続分は小さくなります。

今回の記事のメインテーマである法定相続分については、後で詳しく説明します。

1-3 現実に取得する具体的相続分

具体的相続分とは、遺産総額に対する、各相続人が現実に取得する遺産の金額の割合のことです。

簡単に数式に表せば、

具体的相続分=各相続人が現実に取得する遺産の金額÷遺産総額

ということになるでしょう。

上でも説明しましたとおり、遺言で指定相続分が定められている場合はそれに従い、指定相続分が定められていない場合は法定相続分に従います。

ただし、それで具体的相続分までが決まるわけではありません。

つまり、指定相続分・法定相続分=具体的相続分とは単純にはならないということです。

具体的相続分を定めるにあたっては、指定相続分・法定相続分に、特別受益の持ち戻しと寄与分を加味して考慮する必要があります。

特別受益の持ち戻し

被相続人の生前、相続人の一人が、被相続人より、財産を贈与されるなど特別の経済的利益を受けている場合、受けた経済的利益の分だけ遺産の取り分を減らす

寄与分

相続人の一人が、長年にわたり、被相続人の家業を手伝ったり、被相続人を介護したりして、被相続人の財産の維持・増加に特別に寄与した場合、その寄与した分だけ遺産の取り分を増やす。

こういったことを考慮して具体的相続分が計算されます。

漠然とした説明になってしまいますが、

  • 特別受益を受けた相続人は、遺産の取り分が減る(具体的相続分が小さくなる)
  • 寄与分のある相続人は、遺産の取り分が増える(具体的相続分が大きくなる)

と理解しておいてください。

1-4 具体的相続分が定まるまでの流れ(イメージ)

具体的相続分が定まるまでのイメージをおさらいしておきましょう。

  1. 遺言に指定相続分が定められいる場合はそれによる
  2. 指定相続分が定められていなければ法定相続分による
  3. 特別受益を受けている場合はそれに相当する相続分を減らす(特別受益の持ち戻し)
  4. 寄与分がある場合はそれに相当する相続分を増やす
  5. 具体的相続分が定まる

2 法定相続分の計算方法(概説)

今回の記事のメインテーマである法定相続分について説明します。

1-2でも説明しましたが、法定相続分が適用されるのは次の場合です(民法902条)。

  1. 遺言に指定相続分が定められていない場合
  2. 遺言に一部の相続人についてのみ指定相続分が定められている場合

①が基本であり、②には少しややこしい計算となります。

以下は、①の場合を前提に説明を進めます。

②の場合については、6で補足的に説明します。

2-1 配偶者・血族相続人のどちらかだけ相続人の場合

各相続人の法定相続分は、

  • 配偶者だけ
  • 血族相続人(子・直系尊属・兄弟姉妹)だけ

というように、配偶者・血族相続人のどちらかだけ相続人の場合、その相続人がすべての遺産を相続します。

例えば、相続人が配偶者だけの場合は配偶者が、子だけの場合は子がすべての遺産を相続します。

ただし、子・直系尊属・兄弟姉妹が複数人いる場合、各相続人の法定相続分は平等に分けられます(民法900条4号、901条)。

2-2 配偶者・血族相続人のどちらも相続人の場合

  • 配偶者と子(孫・ひ孫を含む)
  • 配偶者と直系尊属(父母・祖父母)
  • 配偶者と兄弟姉妹(甥・姪を含む)

というように、配偶者・血族相続人のどちらも相続人の場合、法定相続分はそれぞれ次のとおりとなります(民法900条1号~3号、901条)。

相続人組み合わせ法定相続分
配偶者と子(孫・ひ孫を含む)配偶者:1/2 子:1/2
配偶者と直系尊属(父母・祖父母)配偶者:2/3 直系尊属:1/3
配偶者と兄弟姉妹(甥・姪を含む)配偶者:3/4 兄弟姉妹:1/4

配偶者との比較において、被相続人から遠い立場になるほど法定相続分が小さくなっていくのが特徴です。

この場合も、子・直系尊属・兄弟姉妹が複数人いる場合、各相続人の法定相続分は平等に分けられます(民法900条4号、901条)

民法900条(法定相続分)
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

民法901条(代襲相続人の相続分)
1 第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

以下、配偶者・血族相続人のどちらも相続人の場合について、詳しく説明していきます。

3 配偶者と子(孫・ひ孫を含む)が法定相続人の場合

まず、配偶者と子(孫・ひ孫を含む)が相続人となる場合の法定相続分について説明します。

3-1 法定相続分の基本は、配偶者:1/2、子:1/2

相続人が配偶者と子の場合、法定相続分はそれぞれ1/2となります(民法900条1号)。

子が被相続人より先に亡くなっており、孫・ひ孫が代襲相続する場合も、孫・ひ孫の法定相続分は子と同様の1/2です(民法887条2項、3項)。

相続人が配偶者と子の場合、法定相続分はそれぞれ1/2となります。
配偶者と子が法定相続人の場合

なお、代襲相続については、次の記事を参考にしてください。

3-2 子が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられる

基本的な考え方

子(孫・ひ孫を含む)が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられます(民法900条4号、901条1項ただし書)。

子がA、B、Cの3人いる場合、それぞれの法定相続分は、1/2を平等に3つに分けることになりますから、1/6ずつになります。

子の法定相続分の計算式  1/2÷3=1/6

子がA、B、Cの3人いる場合、それぞれの法定相続分は、1/2を平等に3つに分けることになりますから、1/6ずつになります。
配偶者と子が3人が法定相続人の場合

孫・ひ孫が代襲相続する場合

子がすでに亡くなっている場合があります。

この場合、亡くなった子に子(被相続人の孫)がいれば、孫が代襲相続します(民法887条2項)。

孫も亡くなっている場合、孫の子(被相続人のひ孫)がいれば、ひ孫が代襲相続します(民法887条3項)。

それ以降はありません。

孫・ひ孫が代襲相続する場合の法定相続分の考え方は、子の場合と変わりません。孫・ひ孫が複数人いれば、法定相続分は平等に分けられます。

子がA、B、Cの3人いる場合、子Aがすでに亡くなっており、子Aの子(被相続人の孫)D、E、Fがいる場合、孫D、E、Fが子Aの代襲相続人になり、子Aの法定相続分1/6を3人で平等に分けることになります。

したがって、孫D、E、Fの法定相続分は、1/18(1/6÷3=1/18)ずつになります。

孫D、E、Fの法定相続分は、1/18(1/6÷3=1/18)ずつになります。

3-3 嫡出子と非嫡出子がいる場合も法定相続分は平等

嫡出子とは、婚姻関係にある父母から生まれた子をいいます(民法772条)。

非嫡出子とは、嫡出子以外の子、つまり婚姻関係にない父母から生まれた子をいいます。

婚外子という場合もあります。

以前は、非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の2分の1とするとされていました(民法900条4号ただし書前段)。
しかし、最高裁判所の判決で、同じ子であるにもかかわらず相続分が異なるのは不平等であるとされ、2013年12月5日、民法の一部改正により、900条4号ただし書前段が削除されました。

現在は、嫡出子と非嫡出子の相続分は平等です。

下の図では、被相続人の愛人の子である非嫡出子は、嫡出子と同じく、法定相続分は4分の1となります。

被相続人の愛人の子である非嫡出子Bは、嫡出子Aと同じく、法定相続分は4分の1となります。

3-4 養子がいる場合も法定相続分は平等

養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子としの身分を取得します(民法809条)。

3-3に述べたとおり、嫡出子とは婚姻関係にある父母から生まれた子のことをいいます(民法772条)。

つまり、養子は、他の子と同じ扱いを受けますから、法定相続分も他の子と平等に分けられます。

下の図では、養子は、実子と同じく、法定相続分は1/4となります。

養子Cは、実子A・Bと同じく、法定相続分は1/6となります。

なお、養子縁組で相続がどうなるかについては、次の記事を参考にしてください。

4 配偶者と直系尊属(父母・祖父母)が法定相続人の場合

次に、配偶者と直系尊属(父母・祖父母)が相続人となる場合の法定相続分について説明しましょう。

4-1 法定相続分の基本は、配偶者:2/3、直系尊属:1/3

相続人が配偶者と直系尊属の場合、法定相続分は、配偶者が2/3、直系尊属が1/3となります(民法900条1号)。

 相続人が配偶者と直系尊属の場合、法定相続分は、配偶者が2/3、直系尊属が1/3となります(民法900条1号)。
配偶者と直系尊属が法定相続人の場合

4-2 直系尊属が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられる

直系尊属というと、父母、父方の祖父母、母方の祖父母・・・といろいろです。どういった順序で法定相続分が定められているのでしょうか。

まず、直系尊属の間で、親等の異なる人がいる場合、被相続人と親等の近い方が相続人となります。

直系尊属に父母と祖父母がいる場合、被相続人に近い親等は父母ですから、父母が相続人になります。

もし父母がいなければ、父方の祖父母も、母方の祖父母も同じ親等ですから、いずれも相続人になります。

そして、同じ親等の直系尊属が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられます(民法900条4号、901条1項ただし書)。

下の図で、父A、母B、祖父Cがいますが、被相続人と親等の近い父A、母Bが相続人になります。そして、父A、母Bの法定相続分は、1/3を平等に分けることになりますから、それぞれ1/6となります。

父母の法定相続分の計算式  1/3÷2=1/6

父A、母Bの法定相続分は、1/3を平等に分けることになりますから、それぞれ6分の1となります。
父、母の法定相続分は、1/3を平等に分けることになりますから、それぞれ1/6となります。

4-3 実親と養親がいる場合、それぞれが相続人になる

父が2人いる・・・のは、養子縁組をしている場合はあり得ます。

養子は、養親縁組の日から、養親の血族との間でも親族関係が発生します(民法727条)。

したがって、養子が亡くなり、子がいない場合、養親が相続人になります。

一方、普通養子縁組であれば、実親とその血族との間の親族関係もそのまま維持されますから、実親も相続人になります。

下の図では、実父母A、Bと養父Cが相続人になります。そして、実父母A、Bと養父Cの法定相続分は、1/3を平等に分けることになりますから、それぞれ1/9となります。

父母の法定相続分の計算式  1/3÷3=1/9

実父母A、Bと養父Cの法定相続分は、1/3を平等に分けることになりますから、それぞれ1/9となります。

民法727条(縁組による親族関係の発生)
養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。 

5 配偶者と兄弟姉妹(甥・姪を含む)が法定相続人の場合

さらに、配偶者と兄弟姉妹(甥・姪を含む)が相続人となる場合の法定相続分について説明しましょう。

5-1 法定相続分の基本は、配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4

相続人が配偶者と兄弟姉妹(甥・姪を含む)の場合、配偶者が3/4、直系尊属が1/4となります(民法900条3号)。

兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっており、兄弟姉妹の子(甥・姪)が代襲相続する場合も、甥・姪の法定相続分は兄弟姉妹と同様の1/4です(民法887条2項、889条2項)。

相続人が配偶者と兄弟姉妹(甥・姪を含む)の場合、配偶者が3/4、直系尊属が1/4となります(民法900条3号)。
配偶者と兄弟姉妹が法定相続人の場合

5-2 兄弟姉妹が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられる

基本的な考え方

兄弟姉妹(甥・姪を含む)が複数人いる場合、法定相続分は平等に分けられます(民法900条4号、901条1項ただし書)。

被相続人の兄弟姉妹がA、B、Cの3人いる場合、兄弟姉妹の法定相続分は、1/4を平等に3つに分けることになりますから、1/12ずつになります。

兄弟姉妹の法定相続分の計算式  1/4÷3=1/12

被相続人の兄弟姉妹がA、B、Cの3人いる場合、兄弟姉妹の法定相続分は、1/4を平等に3つに分けることになりますから、1/12ずつになります。
配偶者と兄弟姉妹3人が法定相続人の場合

甥・姪が代襲相続する場合

兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合があります。

この場合、亡くなった兄弟姉妹に子(被相続人の甥・姪)がいれば、甥・姪が代襲相続します(民法889条2項、887条2項)。

それ以降はありません。

甥・姪が代襲相続する場合の法定相続分の考え方は、子の場合と変わりません。甥・姪が複数人いれば、法定相続分は平等に分けられます。

兄弟姉妹がA、B、Cの3人いる場合、Aがすでに亡くなっており、Aの子(被相続人の甥・姪)D、Eがいる場合、甥・姪D、EがAの代襲相続人になり、Aの法定相続分1/12を2人で平等に分けることになります。

したがって、甥・姪D、Eの法定相続分は、1/24(1/12÷2=1/24)ずつになります。

甥・姪D、Eの法定相続分は、1/24(1/12÷2=1/24)ずつになります。

5-3 【注意点】半血兄弟姉妹と全血兄弟姉妹がいる場合、半血兄弟姉妹の法定相続分は、全血兄弟姉妹の法定相続分の2分の1となる

兄弟姉妹でも父母のどちらかが違う場合があります(異母・異父兄弟姉妹の場合)。

下の図では、被相続人の兄弟姉妹は、A、B、Cの3人ですが、被相続人は、A、Bとは父母が同じであるのに対し(全血兄弟姉妹)、Cとは母が違います(半血兄弟姉妹)。

この場合、被相続人から見て、半血兄弟姉妹であるCの法定相続分は、全血兄弟姉妹であるA、Bの1/2となります(民法900条4号ただし書)。

被相続人から見て、血を半分しか分けてないから、法定相続分も半分なのでしょう。

法定相続分は、A、Bは1/10、Cは1/20となります。

兄弟姉妹の法定相続分の計算式
 A、B(それぞれ):1/4÷5×2=1/10
 C:1/4÷5=1/20

ら見て、半血兄弟姉妹であるCの法定相続分は、全血兄弟姉妹であるA、Bの1/2となります(民法900条4号ただし書)。

6 遺言に一部の相続人についてのみ指定相続分が定められている場合

遺言に一部の相続人についてのみしか指定相続分が定められていない場合があります。

この場合、指定相続分を定められていない相続人の相続分は、法定相続分によることになります(民法902条2項)。

簡単な設例で説明しましょう。

設例

夫が死亡した。相続人は、妻W、子A、Bである。Aの遺言書には、「遺産のうち、3分の1はAに相続させる」とだけ書いてあった。

この場合、Aが3分の1を相続するから、残りは3分の2です(1-1/3=2/3)。

この3分の2を残りの相続人である妻W、子Bで法定相続分により分けることになります。

ところが、妻Wの法定相続分は1/2、子Bの法定相続分は1/4(1/2÷2=1/4)であり、その合計は、3/4ですから、2/3を超えてしまっています。

そこで、2/3を法定相続分により分けるとはどういう意味なのかが問題となりますが、これについては、妻Wの法定相続分は1/2、子Bの法定相続分は1/4の比率、つまり、

妻W:子B=2:1

で、残された相続分2/3を分けることとなります。


したがって、妻Wと子Bの相続分は、

  • 一部指定相続分の場合の法定相続分の計算式
     妻W:2/3×2/3=4/9
     子B:2/3×1/3=2/9

となります。

妻Wの法定相続分は1/2、子Bの法定相続分は1/4の比率、つまり、妻W:子B=2:1 で、残された相続分2/3を分けることとなります。

民法902条(遺言による相続分の指定)
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。

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