遺言で相続トラブルを回避

「弁護士やっとんのなんでも法律相談所」の記念すべき(?)第1回目の記事では、相続について説明しようと思います。

相続は、数ある法律問題のなかでも最も身近なものの一つだと思いますから、今後も詳しく説明していく予定です。

相続はだれにでも起こる

弁護士の仕事は非常に幅広く、その弁護士によって扱う仕事の特徴があったりするんですが、私の場合、相続は、特に件数が多いもののひとつです。

相続、離婚、不動産、ご近所トラブル、交通事故、借金、給料未払い、不当解雇・・・実は、みなさんの身の回りには、たくさんの法律トラブルが潜んでいます。

もちろん、誰もがこれらの法律トラブルに巻き込まれるわけではありません。しかし、相続に関しては別ではないでしょうか。

誰でも、親から生まれます。そして、親やいつか亡くなります。また、多くの方は結婚して子どもを設けます。配偶者や子どもより先に、自分が亡くなることは普通にあり得ることです。

こういった場合、必ずと言っていいほど相続が発生します。

その相続が揉めてしまったら?

そう考えると、相続については、だれでもトラブルに巻き込まれうるということができます。

相続トラブルは大変

いきなりですが、相続でトラブルになると本当に大変です。

争う相手は、親、子供、兄弟姉妹、親戚・・・赤の他人ではなく血のつながりのある親族ばかりです。

その人たちといつ終わるかもわからない争いをしなければいけません。解決に何年もかかることも珍しくありません。

精神的な負担は非常に大きいです。本当に心身共に疲弊してしまいます。何年もかけてやっとの思いで解決しても、争った親族とは仲たがいしたままそれっきり疎遠になってしまうことも珍しくありません。

確かに財産は得られるかもしれません。

でも失うものも非常に大きいのです。

平尾昌晃さんの事例

2018年は作曲家の平尾昌晃さんの遺産をめぐるニュースがありました。

平尾さんの三男の勇気さんが平尾さんの妻Mさんを相手取って法的措置に及んだというものです。勇気さんによれば、Mさんが遺産を独り占めするために違法行為をしているということだそうです。

平尾さんは3回結婚しています。3人目の妻で平尾さんが亡くなったとき婚姻関係にあったのがMさん。勇気さんは2人目の妻の子どもです。

平尾さんといえば、昭和を代表する大作曲家。「よこはま・たそがれ」、「瀬戸の花嫁」など、数えきれないほどの名曲があります。

ニュースによれば、平尾さんの遺産は、著作権、株式、不動産などで総額60億円にのぼるようです。

莫大な財産です。

詳しくはよくわかりませんが、今のところ遺言書は見つかっていないみたいです。

勇気さんは「ある」、Mさんは「ない」で対立しています。

天国の平尾さんは、ご自身の生み出した数々の名曲が原因で、親族間で骨肉の争いになっている状況をどのように思われているのでしょうか。

相続トラブルはあなたも例外ではない

「私は平尾さんみたいに資産家じゃないし・・・」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、相続でトラブルになるかは、資産の多い少ないは関係ありません。

遺産は家があるだけ、預金通帳が一つあるだけという場合でも、し烈な争いになることはめずらしくありません。

だから、相続のトラブルは誰にでも起こり得ることなんです。

相続トラブルを回避するにはちゃんとした遺言書が必要

私が相続のトラブルに取り組んでいるなかでいつも思うこと。

それは、しっかりとした遺言書があれば、ここまで大きなトラブルにならなかったのになということです。

しっかりとした遺言書とは相続でトラブルが発生しない遺言書です。

では、しっかりとした遺言書とは、具体的にどのような遺言書でしょうか。そもそも、なぜしっかりとした遺言書があればトラブルにならないのでしょうか。

実はこれがなかなかむずかしいのです。相続で一切トラブルが発生しない遺言書を作るのは。

ご自身の財産をキチンと整理することが必要なのは当然です。それをしないと遺言書を書きようがありません。

でもそれだけでは足りません。

相続に関する法律の知識が必要です。

民法だけでなく、税法の知識も必要です。民法で書き方が厳格に定められていますから、遺言書も自由に書けるものではありません。また、相続時には相続税が掛かりますから税法の知識も必要となります。

相続でトラブルが発生しない、しっかりとした遺言書を作るには、時間をかけてじっくり取り組む必要があるのです。

しっかりとした遺言書をつくるために

では、どうしたらしっかりとした遺言書が作れるのでしょうか。

確かに専門家に頼めば話は速いかもしれません。しかし、当然のことながら、けっこうお金がかかるのが現実です。

遺言書をつくるのは、自分や家族の将来のことを真剣に考えることです。

私は、できれば、ご自身で遺言書をつくられた方がよいと思います。

幸いになことに、本屋さんに行くと、相続について解説している書籍が実にたくさん売られています。本当に色々なタイプの本があります。法律専門家向けではない、一般の方向けの本もたくさんあります。

ぜひ、どれか一冊手に取ってじっくり読んでみてください。相当に理解が深まると思います。

ただ、読んでみるとどれも結構難しいですよね。やはり本1冊という限られた誌面のなかで過不足のない情報をしかも誰でも理解できるように丁寧にやさしく解説するのは難しいですよね。そこはどうしても限界があると思います。

そこで、「弁護士やっとんのなんでも法律相談所」の出番だと考えています。

「このブログについて」でも述べましたが、ブログなら、必要なことはいくらでも詳しく丁寧に掘り下げて説明することができますし、読者の方から要望があれば、すぐにいくらでも補充して説明することができます。

第2回以降では、読者の方が、「こういう点について説明してほしい」「ここをもっとわかりやすく説明してほしい」「ここをもっと詳しく説明してほしい」と思われそうなところを懇切丁寧に説明していきたいと思います。

また、「相続」「遺言」「遺産分割」「法定相続分」「遺留分」など、抽象的な法律用語についても、できるだけ具体的にわかりやすく説明していきたいと思います。