マンション管理の相談の中には、
次のような言い方で始まるものがあります。
「特定のトラブルがあるわけではないんですが…」
「大きな問題は起きていないはずなんですが…」
それでも話を聞いていくと、
管理組合の中で、
- 何かが止まっている
- 判断が先送りされ続けている
- 誰も全体を見ていない
といった状態が見えてきます。
このページで扱うのは、
一つ一つの問題ではなく、
管理全体の動きが鈍くなっている場面です。
「問題が起きていない」のに、うまく回らないことがある
管理がうまく回らなくなっているとき、
必ずしも、
- 大きな紛争
- 激しい対立
が起きているとは限りません。
むしろ、よくあるのは次のような状態です。
- 理事会で話は出るが、結論が出ない
- 同じ話題が、何度も繰り返されている
- 「今回は見送ろう」という判断が続いている
一つ一つを見ると、
致命的な問題ではないように見えます。
しかし、
判断が止まり続けている状態そのものが、
管理にとっての問題になることがあります。
「誰かが悪い」わけではないことが多い
この場面で注意したいのは、
原因を、
- 理事長のせい
- 特定の理事のせい
- 管理会社のせい
と、
人に結びつけすぎないことです。
多くの場合、
管理が回らなくなる理由は、
- 理事会と総会のどちらで扱う話なのかが、
その都度あいまいになっている - 「今回は誰が決める話なのか」が決まらないまま、
議題だけが残っている - 何かを決めることで
説明や批判を受ける立場になるのを
皆が避けている
といった、
構造の問題です。
誰か一人が頑張っても、
なかなか改善しないのが特徴です。
よく見られる「回らなくなっている状態」
管理が停滞しているとき、
実際には次のような様子が見られます。
- 理事のなり手が少なく、引き受け手が決まらない
- 管理会社の提案に対して、判断ができない
- 総会に出すべき話が、理事会で止まっている
- 問題を先送りすることが、当たり前になっている
これらは、
それぞれ別の問題に見えますが、
共通しているのは、
管理組合としての動きが弱くなっている
という点です。
「忙しい」「難しい」は理由になるが、原因ではない
この場面では、
次の言葉がよく出てきます。
- 忙しくて時間が取れない
- 専門的でよく分からない
- 判断することに重い責任を感じる
これらは、
理事として自然な感覚です。
ただし、
これらは
管理が回らなくなっている原因そのもの
とはなりません。
問題は、
- この話は理事会で方向性を決めるものなのか、
総会に出す話なのか - 個別の問題を並べて見るだけでなく、
管理全体としてどういう状態かを考える視点があるか - いま話題になっているのは、
方針を決める話なのか、それとも単なる情報共有なのか
が、
見えにくくなっていることです。
個別の問題に見えて、実は共通していること
たとえば、
- 費用の話が決まらない
- 使い方の問題が放置されている
- 管理会社との関係がぎくしゃくしている
これらは、
一見すると別々の問題です。
しかし、
管理がうまく回らなくなっているときは、
管理組合として、
「この話はどう進めるのか」「どこで扱うのか」を
決めなければ先に進まない場面のことです。
「ここで何かを決めないと先に進まない」
という場面が、はっきりしなくなっています。
そのため、話題は出ても、結論に向かう動きが生まれません。
この場面で考えたい視点
この段階で大切なのは、
次のような問いです。
- いま止まってしまっているのは、どんな判断についてか
- 本来、どこで決める話なのか
- 判断を避け続けることで、何が起きているか
ここで、
「誰がやるか」「どうやるか」
に入ってしまうと、
話はまた止まります。
まずは、
管理組合として、
何が止まっている状態なのか
を見つめ直す必要があります。
次の段階に進むかどうかの分かれ目
ここまで考えてみて、
- このままでは、同じ状態が続く
- 個別対応では限界がある
- 管理の枠組みそのものを考える必要がある
と感じた場合、
それは、
次の判断の段階に入っている
サインです。
逆に、
- 一時的な人手不足
- 特定の時期だけの問題
であれば、
深刻に考えすぎる必要はありません。
まとめ
管理がうまく回らなくなっている場面では、
大きなトラブルよりも、
小さな先送りの積み重ね
が問題になります。
このページで確認したいのは、
「何が悪いか」ではなく、
「どこが止まっているか」
です。
ここを見誤らなければ、
管理組合としての判断は、
もう一度動き出しやすくなります。