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【さいたま市・浦和】親に遺言書を書いてほしいとき、子どもはどう動くべきか切り出し方・注意点を弁護士が解説

2026 5/28
遺言
2026年5月28日

親が高齢になり、実家や土地、預貯金、賃貸物件などの相続が気になり始めると、
「今のうちに遺言書を書いておいてほしい」
と考える子どもは少なくありません。

  • 兄弟仲がよくない
  • 実家を誰が引き継ぐのか決まっていない
  • 親が再婚している
  • 前婚の子や疎遠な相続人がいる
  • 不動産が多く、法定相続分どおりに分けることが難しい

このような家庭では、遺言書がないために、
相続開始後、相続人同士の話し合いが止まってしまうことがあります。

もっとも、子どもが強く言いすぎると、
後から「親が本当に自分の意思で書いたのか」と疑われることがあります。

親に遺言書を書いてほしいときは、
親を動かす方法ではなく、親本人が自分の意思で考えられる環境を作ることが大切です。

この記事のポイント

親に遺言書を書いてほしいとき、
子どもは遺言の内容を決めたり、親に強く求めたりするのではなく、
相続でもめやすい事情を穏やかに伝え、
親本人が自分の意思で考えられる場を作ることが大切です。

特に、親が高齢であったり、
不動産・再婚・前婚の子・兄弟不仲などの事情があったりする家庭では、
公正証書遺言や弁護士相談を利用し、
親の判断能力や作成経緯が後から疑われにくい形を意識する必要があります。

▶ 遺言書作成の全体の流れを知りたい方はこちら

目次

親に遺言書を書いてほしいと思うこと自体は、不自然ではない

親の相続でもめる可能性を心配した子どもが、
遺言書の必要性を考えること自体は不自然ではありません。

親に遺言の話をするのは、気が重いものです。

「財産の話をするのは失礼ではないか」
「自分が財産をほしがっているように思われないか」と悩む方もいます。

しかし、相続では、親が元気なうちに考えておかなかったために、
後で兄弟間の対立が深まることがあります。

実家を誰が引き継ぐのか、
同居している子どもの住まいをどうするのか、
介護をしてきた人への配慮をどうするのか。

こうした問題は、
相続が始まってから子ども同士で話し合うと、感情的になりやすいところです。

そのため、
子どもが「親の相続で家族が困らないようにしたい」と考えること自体は、
決しておかしなことではありません。

ただし、親の財産は親自身のものです。

子どもが分け方を決めることはできません。

大切なのは、子どもが結論を用意することではなく、
親が自分の考えを言葉にできるきっかけを作ることです。

遺言書を考えた方がよい家庭の典型例

実家や土地がある、兄弟仲が悪い、再婚・前婚の子がいるなど、
相続開始後に話し合いが難しくなりやすい家庭では、遺言書を考える意味が大きくなります。

たとえば、次のような家庭では、
遺言書があることで、相続開始後の負担を減らせることがあります。

家庭の状況遺言書を考えた方がよい理由
実家や土地がある誰が取得するか、売却するか、住み続ける人をどうするかで意見が分かれやすいため。
不動産が多く預金が少ない法定相続分どおりに分けようとしても、代償金の支払いが難しくなることがあるため。
兄弟仲が悪い・疎遠相続開始後に冷静な話し合いが進みにくく、親の意向が分からないまま対立しやすいため。
親と同居している子どもがいる住まいの確保、固定資産税や修繕費の負担、他の相続人への配慮が問題になりやすいため。
再婚・前婚の子がいる相続人同士の関係が複雑で、相続開始後に連絡や話し合いが難しくなりやすいため。
子どものいない夫婦配偶者だけでなく、兄弟姉妹や甥姪が相続人となることがあり、自宅の承継で困ることがあるため。
家業・事業・賃貸物件がある誰が引き継ぐのか、他の相続人へどのように配慮するのかを考えておく必要があるため。

さいたま市・浦和周辺でも、
実家の土地、古い建物、駐車場、アパート、農地、借地権などが相続に含まれることがあります。

不動産は預金のように簡単には分けられません。

親の考えが分からないまま相続が始まると、
誰が取得するのか、売るのか、残すのかで話し合いが長引くことがあります。

親への切り出し方は、「財産の分け方」より「相続後の心配」から入る

親に遺言の話をするときは、
いきなり財産の分け方を聞くのではなく、
相続後に家族が困らないようにしたいという心配から伝える方が自然です。

「誰に何を残すのか」と正面から聞かれると、親が身構えてしまうことがあります。

また、特定の子どもが自分に有利な内容を求めているように受け取られると、
その後の家族関係にも影響します。

最初は、財産の分け方そのものではなく、
家族が後で困りそうな点を穏やかに伝えるのがよいでしょう。

  • 実家をどうするのか
  • 同居している人の住まいは大丈夫か
  • 不動産を子ども同士の共同名義にしてよいのか
  • 兄弟だけで話し合えるのか

こうした心配を、親に考えてもらう形です。

親に話すときの文例

「お父さんの財産をどう分けるかを、今すぐ決めてほしいという話ではないんだけど、実家や土地のことは、後で兄弟だけで話すと難しくなるかもしれないと思っている。」

「元気なうちに、お父さん自身の考えを形にしておく方法を、一度専門家に聞いてみてもよいのではないかな。」

このように伝えれば、
親に結論を迫るのではなく、
親本人が考えるきっかけを作る言い方になります。

子どもが関わりすぎると、後から「誘導」と疑われることがある

子どもが遺言の内容を細かく決めたり、親に強く求めたりすると、
相続開始後に「誘導された遺言ではないか」と疑われることがあります。

遺言書は、子どもの希望を書くものではありません。

親本人の意思を書くものです。

たとえば、

  • 子どもが遺言書の文案を作る
  • 専門家とのやり取りをすべて仕切る
  • 他の兄弟には知らせずに進める
  • 特定の子どもに大きく有利な内容になる

このような事情が重なると、
相続開始後に「本当に親の意思だったのか」と争われることがあります。

特に、親が高齢であったり、病気や認知症の症状があったりすると、
遺言作成時の判断能力も問題になりやすくなります。

公正証書遺言であっても、
作成までの経緯が不自然であれば、後から争われることがあります。

子どもが手伝うこと自体がすべて問題になるわけではありません。

資料を探す、専門家との面談日程を調整する、親が公証役場へ行く手段を用意するなど、
必要なサポートはあります。

問題は、親本人の考えよりも子どもの希望が前に出てしまうことです。

次の表のように、
「手伝ってよいこと」と「避けたいこと」を分けて考えると、
親本人の意思を大切にしやすくなります。

子どもがしてよいこと避けたいこと
遺言の必要性を一般論として伝える遺言の内容を子どもが決める
親の希望を話しやすい雰囲気を作る「自分に多く残してほしい」と求める
弁護士や公証人に相談する選択肢を伝える子どもが文案を一方的に作る
財産資料を探す手伝いをする他の兄弟に隠して急いで進める
親本人が専門家と直接話す場を用意する親が内容を理解しないまま署名・押印させる
不安がある方へ

親に遺言書を書いてほしいと考えていても、
子どもがどこまで関わってよいかは慎重に考える必要があります。

他の兄弟から疑われにくい進め方、
親本人の意思を大切にした進め方を知りたい方は、
一度ご相談ください。

ご相談・お問い合わせ

親の判断能力が問題にならないうちに動く

遺言書は、親が内容を理解し、
自分の意思で決められるうちに作成する必要があります。

高齢だからといって遺言書を作れないわけではありません。

大切なのは、親が遺言の内容を理解し、
自分の財産を誰にどのように残すのかを判断できる状態かどうかです。

ただし、認知症と診断されていたり、日によって会話の内容が大きく変わったり、
財産の内容を把握できていなかったりすると、
相続開始後に遺言の有効性が争われることがあります。

「まだ早い」と思っているうちに、
遺言書を作ること自体が難しくなることもあります。

親が元気なうちに、親本人の考えを聞き、
必要であれば公正証書遺言などの方法を検討することが大切です。

判断能力が心配なときは、

  • 作成時の医師の診断書
  • 介護認定資料
  • 施設や病院での生活状況
  • 専門家との面談記録

などが、後日の説明に役立つことがあります。

公正証書遺言を検討した方がよい場面

相続でもめる可能性がある家庭では、
自筆証書遺言よりも、公正証書遺言を検討した方がよいことがあります。

公正証書遺言は、公証人が作成する遺言です。

公証人は、元裁判官や元検察官など、
法律専門家が法務大臣から任命される公務員です。

法律の専門家が作成するため、方式の不備が生じにくく、
原本も公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの不安も小さくなります。

また、相続開始後の家庭裁判所での検認手続も不要です。

もっとも、公正証書遺言であれば必ず争われない、というわけではありません。

親の判断能力、作成に至る経緯、特定の子どもの関与の程度などが問題になることはあります。

だからこそ、公正証書遺言を作るときも、
親本人が自分の言葉で公証人に希望を説明できることが大切です。

親が病院や施設にいるときは、公証人に出張してもらう方法を検討することもあります。

さいたま市・浦和周辺であれば、
浦和公証センターなど、地域の公証役場を利用する場面もあります。

▶ 公正証書遺言を検討されている方はこちら

遺留分や不動産の問題も一緒に考える

遺言書を作るときは、誰に何を相続させるかだけでなく、
遺留分、不動産評価、代償金、共同名義を避ける工夫も考える必要があります。

たとえば、長男に実家を相続させたいと考えているとします。

その内容自体は親の意思として尊重されるべきですが、
他の子どもの遺留分を侵害する内容であれば、相続開始後に金銭請求を受けることがあります。

また、不動産を複数の相続人の共同名義にすると、
その場では公平に見えても、
将来の売却、建替え、管理費の負担、次の相続で問題が大きくなることがあります。

実家、土地、賃貸物件、駐車場、農地、借地権などがある家庭では、
誰が取得するのか、他の相続人にどのように配慮するのかまで考える必要があります。

遺言書には、遺言執行者を指定したり、
親の思いを付言事項として残したりする方法もあります。

法律上の効力だけでなく、
相続人が受け止めやすい内容にすることも大切です。

▶ 遺留分について詳しく知りたい方はこちら

弁護士相談は、子どもの希望を通すためではなく、親の意思を形にするために使う

親に遺言を書いてほしいときの弁護士への相談は、
子どもの希望を通すためではなく、
親本人の意思を安全な形で遺言にするために利用すべきです。

子どもだけで弁護士に相談することはできます。

たとえば、

  • 親にどう切り出せばよいか
  • どのような家庭で遺言書が必要になりやすいか
  • 公正証書遺言を使うべきか
  • 遺留分や不動産の問題にどう配慮すべきか

といった一般的な相談は可能です。

ただし、実際に遺言書を作る段階では、
当然のことながら、親本人の意思が中心になります。

弁護士は、子どもの希望だけで親の遺言書を作ることはできません。

親本人と直接話し、
財産の内容、相続人関係、希望する分け方、
遺留分への配慮などをたしかめる必要があります。

子どもが同席することが適切な場面もありますが、
内容によっては親本人だけで弁護士と話す時間を設けることも大切です。

これは、他の兄弟から疑われにくくするためでもあり、
何より親の本当の意思を守るためです。

さいたま市・浦和周辺で親の遺言を考える方へ

さいたま市・浦和周辺で、実家不動産や土地を含む相続になる場合は、
遺言書があった方が相続後の対立を防ぎやすいと思います。

浦和駅周辺の実家、さいたま市内の住宅地、
見沼区・岩槻区などの農地、区画整理が関係する土地、
旧地主層の複数不動産、借地権、駐車場、アパートなど、
不動産が相続の中心になる家庭は少なくありません。

このような家庭では、預金のように単純に人数で割ることができません。

親の意思が分からないまま相続が始まると、
実家を残すのか、売るのか、
誰が住み続けるのか、
他の相続人へいくら支払うのかで話し合いが止まってしまいかねません。

遺言書は家族が相続で困らないための道しるべにもなり得るものです。

親に遺言書を書いてほしいときに、弁護士へ相談するタイミング

親に遺言書を書いてほしいのであれば、親に話をする前でも後でも、弁護士に相談できます。

たとえば、次のようなときは、早めに相談するとよいでしょう。

弁護士に相談するタイミング(例)
  • 親にどう話してよいか分からない
  • 兄弟仲が悪く、相続でもめそうだと感じている
  • 実家や土地を誰が取得するか決まっていない
  • 親が高齢で、判断能力が心配になってきた
  • 親が再婚している、または前婚の子がいる
  • 子どものいない叔父叔母の相続も気になっている
  • 不動産が多く、分け方が難しい
  • 自分が動くと他の兄弟から疑われそうで不安がある
  • 公正証書遺言を検討したい

弁護士に相談することで、
親への切り出し方や子どもが関わる際の注意点、
公正証書遺言の使い方、
遺留分や不動産への配慮などを、
家庭の事情に合わせて考えることができます。

よくある質問

子どもから親に「遺言を書いてほしい」と言ってもよいですか?

言うこと自体は問題ありません。

ただし、遺言の内容を子どもが決めたり、
特定の相続人に有利な内容を強く求めたりすると、
後から疑われることがあります。

親本人が自分の意思で考えられるように伝えることが大切です。

親が遺言の話を嫌がるときはどうすればよいですか?

いきなり財産の分け方を聞くのではなく、
相続後に家族が困らないようにしたいという心配から伝えることが考えられます。

子どもが直接説得するより、
弁護士などの第三者から一般的な説明を受ける方が、
親が受け止めやすいこともあるでしょう。

子どもが遺言書の文案を作ってもよいですか?

作ってはいけないことはありませんが、
子どもが文案を作り、その子どもに有利な内容になっていると、
相続開始後に「親の本当の意思ではなかったのではないか」と疑われる可能性はあります。

内容は親本人が決め、専門家が形にする方が安全だと思われます。

認知症の診断がある親でも遺言書を作れますか?

診断名だけで一切作れないと決まるわけではありません。

大切なのは、遺言の内容を理解し、自分の意思で決められる状態であることです。

医師の診断書や作成時の状況が重要になることがあります。

親に遺言を書いてほしい段階で、子どもだけで弁護士に相談できますか?

相談できます。

ただし、実際に遺言書を作成する段階では、
親本人の意思を弁護士が直接たしかめる必要があります。

子どもだけの希望で親の遺言を作ることはできません。

まとめ・相談へのご案内

親に遺言書を書いてほしいと考えることは、決して不自然なことではありません。

実家や土地がある、兄弟仲がよくない、
再婚や前婚の子がいる、不動産が多いといった家庭では、
遺言書がないために相続開始後の話し合いが難しくなることがあります。

ただし、子どもが遺言の内容を決めたり、親に強く求めたりすると、
後から「誘導された遺言ではないか」と疑われることがあります。

大切なのは、親本人が自分の意思で考え、その内容を安全な形で遺言書に残すことです。

さいたま市・浦和周辺で遺言についてお考えの方へ

さいたま市・浦和周辺で、親に遺言書を書いてほしい、
相続でもめないように準備したいとお考えの方は、早めにご相談ください。

浦和駅徒歩8分の当事務所では、
親への切り出し方、子どもが関わる際の注意点、
公正証書遺言、遺留分、不動産を含む遺言について、
現在の状況をうかがいながら一緒に考えます。

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この記事を書いた人

弁護士 佐々木康友のアバター 弁護士 佐々木康友

さいたま未来法律事務所の代表弁護士です。
建築学科・行政機関出身。
建築・不動産分野を中心に、関連分野として遺産相続・離婚・行政事件などにも力を入れています。
ひきこもり・フリーター経験者。趣味はメダカの飼育。

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