私の所有しているアパートの入居者(101号室)から、上階(201号室)の生活音がうるさいのでどうにかしてほしいと苦情を受けました。どのようにしたらよいでしょうか。
弁護士の佐々木康友です。
賃貸マンション・アパートなどには様々な生活スタイルの人が住んでいることが多いです。
建物も防音措置が十分に講じられていないこともあります。
そのため、最近、生活騒音のトラブルが増えていいます。
- ピアノ、ステレオ、テレビ等の音響機器からの音
- エアコン、掃除機、洗濯機等の家庭用機器からの音
- 風呂、トイレ等の給排水音
- 窓の開閉音、室内の足音等住宅設備・構造からの音
- 自動車のアイドリング音
- ペットの鳴き声
- 人の話し声
建物の賃貸人(大家・オーナー)には、賃借人(入居者)に対して、建物を使用収益させる義務があります(民法601)。
上階や隣室の生活騒音により、建物が居住に適した状態ではなくなっている場合、生活騒音の発生をやめさせるなどにより、建物を居住に適した状態に回復させないと、債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条1項)をされるおそれがあります。
また、賃貸人が適切に対応しなかったため、被害を訴えている入居者と騒音を発生させている入居者の間の大きなトラブルになり、賃貸マンション・アパートの生活環境が悪化する結果、退去者が続出するといったこともあります。
そのため、騒音の苦情を受けた賃貸人は、騒音を放置することなく適切に対応する必要があります。
以下では、建物の賃貸人が、入居者から生活騒音の苦情を受けた場合にどのように対応するべきかについて説明します。
建物を使用収益させる義務
建物の賃貸人(大家・オーナー)には、賃借人(入居者)に対して、建物を使用収益させる義務を負っています(民法601条)。
賃貸人は、賃借人に建物を引渡し、建物賃貸借契約の存続する間、建物を使用収益に適した状態に置かなければなりません。
建物が居住に適していない状態になってしまった場合には、賃貸人は、建物を居住に適している状態に戻さなければ、建物賃貸借契約の債務不履行となり、損害賠償請求をされてしまうこともあり得ます。
今回のケースのように、賃貸アパートの上階の入居者が騒音を発生させている場合に、その騒音によって建物が居住に適さない状態になっているのであれば、賃貸人は、上階の入居者に注意をするなどして騒音の発生をやめさせ、建物を居住に適した状態に戻していく必要があります。
しかし、賃貸マンション・アパートの騒音は、通常の日常生活に伴って発生している場合も多いですし、賃貸アパート・マンションの構造上、防音措置が十分に講じられていない場合も多いです。
そのため、騒音を発生させている入居者にいくら対策を講じるように求めたところで、騒音を一切発生させないことは現実的に不可能な場合もあります。
また、賃貸アパート・マンションの構造上、ある程度の騒音が発生してしまうのはやむを得ないのに、通常の生活を過度に制限させてまで、騒音を発生させないことを強いることもできないでしょう。
しかし、そうであるからといって、賃借人が騒音被害を訴えているにもかかわらず、賃貸人が、対応をしないまま放置したり、誠意のある対応をしなかったりすると、建物を使用収益させる義務(民法601条)に違反したとして、賃借人から損害賠償請求をされることにもなりかねません。
そこで、賃貸人としては、発生している騒音の内容や音量、賃貸アパート・マンションの防音性能などを踏まえ、建物が居住に適していない状態にならないようにできるだけの対応をしていくことが必要となります。
騒音が全く改められない場合などには、騒音を発生させている入居者との間の信頼関係が破壊されたとして、建物賃貸借契約を解除することも視野に入れる必要があります。
受忍限度
まず、どのような場合に、騒音により、建物が居住に適していない状態にあるといえるのでしょうか。
これは、上階や隣室の入居者発生させている騒音が、受忍限度を超えているかどうかにより判断されます。
人は誰でも平穏安全な生活を営む権利があります(平穏生活権)。
生活環境に一定の静かさを確保することも、快適で健康な生活を営むために必要であり、平穏生活権に含まれるものとして法的保護に値するといえます。
しかし、人が社会生活を営む上で、一切騒音の発生しない完全な静寂を求めることは困難です。
通常の社会生活を営む上では、ある程度の騒音にさらされることは避けることができません。
特に、賃貸マンション・アパートは、壁や床1枚を隔てて、性格も生活スタイルも異なる人々が生活するものです。
入居者が他の入居者の迷惑とならないように配慮するべきなのは当然ですが、家族で入居していると、どうしても子供が泣いたり騒いだりすることがありますし、夜遅くまで働いている人が入居している場合は、入浴や食事の時間が夜遅くになることもあります。
また、賃貸マンション・アパートの場合、十分な防音措置が講じられていない場合も多いです。
通常の日常生活を過度に制限してまで、騒音の発生を防止するための措置を講じることまでは求められるわけはないと思います。
賃貸マンション・アパートで生活する上で騒音を一切発生させないことはやはり困難であり、それを求めるのは行き過ぎといえるでしょう。
ある程度の騒音はお互い様のこととして我慢するべきです(受忍義務)。
とはいえ、他の入居者への配慮を欠いた騒音まで我慢する必要はないでしょう。
それではどこまで我慢するべきなのか。
このどこまで我慢するべきかという限度のことを受忍限度といいます。
受忍限度を超える騒音が発生した場合は、人格権(平穏生活権)を侵害するものとして、建物が居住に適した状態になっていないと考えることができるでしょう。
受忍限度の基準
どのような場合に受忍限度を超える騒音が発生しているといえるのでしょうか。
音の感じ方はかなり主観的なものであり人によって様々です。
ある人にとってはそれほど気にならない音であっても、他の人にとっては耐えがたい不快な音になることもあるでしょう。
しかし、そうであるからといって、騒音被害を受けた人の感受性に合わせて受忍限度を決めてしまうと、階下や隣にどのような人が住んでいるかによって受忍限度の範囲が大きく異なることになり、賃貸マンション・アパートに安心して生活することなどできなくなってしまいます。
そこで、裁判では、受忍限度の範囲は、騒音被害を受けた人の感受性を基準とするのではなく、平均人の通常の感受性を基準として、騒音が受忍限度を超えているかどうかによって判断しています(東京地方裁判所平成6年5月9日判決)。
本件のマンションにおけるような集合住宅にあっては、その構造上、ある居宅における騒音や振動が他の居宅に伝播して、そこでの平穏な生活や安眠を害するといった生活妨害の自体がしばしば発生するところであるが、この場合おいて、加害行為の有用性、妨害予防の簡便性、被害の程度及びその存続期間、その他の双方の主観的及び客観的な諸般の事情に鑑み、平均人の通常の感覚ないし感受性を基準として判断して、一定の限度までの生活妨害は、このような集合住宅における社会生活上やむを得ないものとして互いに受忍すべきである一方、右の辞任の限度を超えた騒音や振動による他人の生活妨害は、権利の濫用として不法行為を構成することになるものと解すべきところである。
東京地方裁判所平成6年5月9日判決
ここで平均人の通常の感受性とは何かが問題となります。
非常に漠然としておりつかみどころがありません。
実は、平均人の通常の感受性について客観的な判断基準があるわけではありません。
結局のところ、裁判官の常識に依拠するしかないのが正直なところです。
とはいえ、何の根拠も示されることなく、裁判官に受忍限度を超えているかどうかの判断をされてしまったら、当事者としてはたまったものではないでしょう。
そこで、裁判では、次のような観点から、平均人の通常の感受性を基準として、騒音が受忍限度を超えているかどうかを総合的に検討して判断することとしています。
- 侵害行為の内容・程度
- 被害の内容・程度
- 被侵害利益の性質とその内容
- 地域環境
- 侵害行為の推移
- 被害防止措置
各考慮要素について詳しくは、次の記事で解説していますので参考にして下さい。
用法遵守義務違反
賃貸マンション・アパートの賃借人は、賃借している建物を好き勝手に使用してよいわけではありません。
賃借人は、建物賃貸借契約や建物の性質によって定まった使用方法に従って、建物を使用収益しなければなりません(民法616条・594条1項)。
これを用法遵守義務といいます。
建物賃貸借契約書に「賃借人は近隣に迷惑となる行為をしてはならない」と定めてある場合はもちろんですが、このような定めがなかったとしても、近隣に迷惑となる行為をしないことは用法遵守義務に含まれるものと考えられます。
賃貸マンション・アパートは、寝食の行われる日常生活の本拠となる場所なのですから、受忍限度を超える騒音を発生させることは、他の入居者の平穏に生活する利益を害する近隣に迷惑となる行為として、用法遵守義務に違反することになるでしょう。
建物の賃借人は、賃貸借契約において明確に約していなくとも、当該建物の存する環境、立地状況、使用目的等から予想される制約の範囲内で当該建物を使用すべき義務がある。
横浜地方裁判所平成元年10月27日判決
賃借人が用法遵守義務に違反している場合、賃貸人は債務不履行に基づいて建物賃貸借契約を解除することができます(民法540条)。
賃借人が発生させている騒音が受忍限度を超えるものであれば、用法義務違反を理由として建物賃貸借契約を解除することができます。
それでは、賃借人が受忍限度を超える騒音を発生させていれば、すぐに建物賃貸借契約を解除できるのかといえば、そのようにはなりません。
通常、賃借人にとって、借りている建物は日常生活の本拠となる重要なものとなっています。
元はと言えば賃借人に原因があるとはいえ、賃貸借契約が解除されてしまうと、賃借人は非常に大きな影響を受けることとなります。
そこで、建物賃貸借契約を解除するには、賃貸人・賃借人間の信頼関係が破壊される程度の債務不履行が必要とされています。
用法遵守義務違反を理由として建物賃貸借契約を解除するのであれば、通常は、賃貸人・賃借人間の信頼関係が破壊される程度の用法遵守義務違反があることが必要とされます。
それでは、どの程度の用法遵守義務違反があれば信頼関係が破壊されるといえるのでしょうか。
これについては明確な基準があるわけではありませんが、受忍限度を超えている程度や賃貸人の注意に対して誠実に対応しているかどうかなどが考慮されています。
入居者から苦情があった場合の対応
入居者から話を聞く
賃貸人・管理会社が、入居者(賃借人)から騒音被害について苦情を受けた場合、まずは騒音被害を訴えている賃借人から話を聞くべきです。
ただし、注意が必要となるのは、入居者の訴えるように何かしらの騒音が発生していたとしても、受忍限度を超えるものであるとは限らないことです。
騒音の感じ方はかなり主観的なものであり人によって様々です。
騒音が、通常の日常生活に伴って発生するものであり、賃貸マンション・アパートで生活する上ではお互い様のものであったとしても、騒音に対して非常に神経質な人にとっては耐えがたいものとなっている場合もあります。
ですので、まずは先入観を持たずに話を聞くことが重要となります。
聞き取りの項目は、例えば次のようなものとなります。
- どのような騒音がしているのか(足音、話し声、テレビの音、ドアの開閉音、機械音など)
- どれくらい大きな騒音なのか(ドスンと言う音、静かな時に聞こえるなど)
- 騒音が聞こえる時間帯や頻度は(毎日か時々か、夜間・深夜・早朝など)
- いつから騒音がしているのか(音がすることに気づいたのはいつか)
- 騒音が聞こえる方向は(上階か隣室からかなど)
入居者から聞き取りをしたら、入居者の協力を得て、実際に賃借人の部屋において騒音の発生状況を確認した方がよいです。
賃貸人・管理会社が実際に自分の耳で騒音を確かめてみることによって、騒音がどの程度のものであるかわかり、それによって対応が異なることが考えられるからです。
最近は、簡単に録音や騒音の測定のできるスマートフォンのアプリがあります。専門家に本格的な騒音測定調査を依頼すると数十万円単位のお金が掛かるのが通常ですので、まずはこういったアプリで簡易に録音や騒音の測定をするとよいでしょう。
なお、賃貸人・管理会社が騒音の発生状況を確かめても明確に認識できない場合もあります。
その場合は、上記の項目について、全戸にアンケート調査を行うことも考えられます。
騒音の被害を訴えている賃借人が、騒音を発生させている入居者が騒音の苦情を受けて騒音を発生させないように改めたとしても、損害賠償請求をするつもりであるならば、この時点で、専門家による本格的な騒音調査を行っておく必要があるでしょう。
チラシを配布する
賃貸人・管理会社が、日常生活の範囲を超える騒音が発生していると考える場合には、騒音を発生させている入居者に注意することを検討します。
しかし、騒音を発生させている入居者は、自分が騒音の発生源であることに気づいていないことが多いです。
そのため、いきなり騒音を出さないように注意をしてしまうと、騒音を発生させている入居者を当惑させ、反発を招くことにもなりかねません。
そこで、まずは、名指しで注意するのではなく、騒音を発生させているかもしれないことと自覚してもらうことが重要です。
そのためによく行われているのが、管理会社・賃貸人が、賃貸マンション・アパートの全戸にチラシを配布することです。
相手を特定しない点において穏便な方法であり、実際チラシの配布によって、騒音が止まることもありますので最初に行うこととしてはよいでしょう。
あわせて一定期間掲示板に掲示することもよいと思います。
チラシの内容は感情的なものとはせずに、良好な生活環境の維持のために協力をお願いするといった形にした方がよいです。
チラシを作成するにあたっては次のことに注意するとよいです。
管理会社・賃貸人としては日常生活の範囲内の騒音であると考えても、騒音被害を訴える入居者が強く対応を求めることがあります。
この場合も、管理会社・賃貸人としては日常生活の範囲内の騒音と考えることを伝えた上で、チラシを配布して様子を見るといった対応をすることも考えられます。
管理会社・賃貸人としての見解を明確にしないまま、騒音被害を訴える入居者の要求に対応することは、要求をエスカレートさせることにもなりかねませんから注意するべきです。
入居者から苦情があったことを書く
騒音で困っている入居者がいることが伝わらなければ、自分が騒音を発生させているかもしれないと自覚するきっかけにはなりません。
そこで、賃貸人・管理会社に入居者から騒音の苦情があったことを書ことが重要です。
安眠できないなど、騒音によって具体的な被害が生じているのであればあわせて書いた方がよいでしょう。
騒音の内容を具体的に書く
騒音の内容(テレビの音、足音、ピアノの音など)や騒音の発生している時間帯・頻度(夜間●時頃など)はできるだけ具体的に書く方がよいです。
騒音の内容や時間帯・頻度が具体的に書いてあると、身に覚えのある入居者であれば、自分のことかもしれないと自覚するきっかけになるからです。
解決策を示す
チラシによって、自分が騒音の発生源になっているかもしれないと自覚したとしても、どのような対応をすれば分からない場合も多いでしょう。
そこで、騒音の内容に対してどのような解決策が考えられるのかを書くとよいでしょう。
- 深夜や早朝には楽器を演奏しない
- 深夜や早朝には掃除機・洗濯機を使わない
- 夜間はテレビの音量を下げる
- ドアの開閉音に気を付ける
- 床にじゅうたんやマットを敷く
騒音を発生させている入居者が特定できないようにする
とりわけ重要なことは、騒音を発生させている入居者を特定できないようにすることです。
騒音を発生させている入居者を特定できる書き方をすると、「犯人扱いされた」と反発を招くおそれがあります。
騒音を発生させている入居者が特定できないように細心の注意が必要です。
入居者同士で直接対応しないように注意する
入居者同士が直接やり取りをすると大きなトラブルに発展するおそれがあります。
入居者同士のトラブルが発生すると退去者が増えてしまうことも考えられます。
そこで、騒音については、管理会社・賃貸人に全て連絡をするように注意書きをする必要があります。
騒音を発生させている入居者に直接注意する
チラシを配布してもこれまでと変わらずに騒音が発生している場合、騒音を発生させている入居者に直接注意することが必要となります。
騒音を発生させている入居者に直接注意するのですから、当然、賃貸人・管理会社としては、日常生活の範囲を超える騒音が発生しているとの認識であることが前提となります。
騒音を発生させている入居者に対しては、管理会社・オーナーが直接やり取りをします。
入居者同士でやり取りをすることは大きなトラブルの原因となりますのでやめるべきです。
騒音を発生させている入居者に直接注意する前に、念のため隣接している住戸の入居者に聞き取り調査をしておくことも考えられます。
注意の方法としては口頭と書面が考えられますが、まだ相手の言い分も聞かないまま一方的に書面を送ると相手の反発を招くおそれもあります。
できれば口頭で丁寧に説明した方が要件が伝わりやすいでしょう。
なお、騒音を発生させた入居者に直接注意した記録を残すため、いずれにせよ書面は作成して渡しておいた方がよいでしょう。
騒音を発生させている入居者に対しては、一方的に注意することはやめるべきです。
騒音を発生させている入居者は、騒音を発生させていることを自覚していない場合が多いからです。
- 入居者から騒音の苦情があったこと
- 騒音の内容(テレビの音、足音、ピアノの音など)
- 騒音の発生している時間帯・頻度(夜間●時頃など)
を伝えた上で、まずは心当たりがないか聞いてみるべきでしょう。
心当たりがある場合、騒音を発生させている入居者にも言い分があるでしょうから、まずはその言い分を聞いてみることが重要です。
その上で、そうではあったとしても、騒音被害を訴えている入居者に被害がいることから、騒音の内容に応じて、騒音を軽減させるための解決策を提案してみるとよいでしょう。
チラシを配布する場合と同様となりますが、騒音を発生させている入居者に対しては、この問題については賃貸人・管理会社が対応するので、騒音被害を訴えている入居者には直接連絡しないように念を押しておいた方がよいでしょう。
夜間に大音量の音楽を流していたり、複数人で大騒ぎしている場合など、騒音の内容が度を過ぎたあまりにひどいものである場合、警察に連絡することも考えられます。
また、市役所でも生活騒音についてなんらかの指針を定めている場合がありますが、原則としては入居者間のトラブルに介入することはないことが多いです。
直接注意しても改善されない場合は賃貸借契約の解除を検討する
賃借人・管理会社が、騒音を発生させている入居者と何度もやり取りをしても、騒音が改善されない場合があります。
だからといって、騒音が発生している状況を放置すると、賃貸人の賃借人に対する使用収益させる義務に違反しているとして、賃借人から損害賠償請求をされることになりかねません。
そこで、賃貸人・管理会社としては、騒音を発生させている入居者が誠実に対応しないために騒音が改善されていないのであれば、建物賃貸借契約の解除して、騒音を発生させている入居者に退去してもらうことを検討する必要があります。
その場合、まずは内容証明郵便によって、建物の明渡し期限を定めて建物賃貸借契約の解除通知を送付することになりますが、期限を過ぎても明渡しが行われない場合は、騒音を発生させている入居者に対して、建物明渡訴訟を提起することになります。
訴訟になりますと、受忍限度を超える騒音が発生していることの客観的な根拠が求められますので、訴訟を提起する前に、専門家に騒音の測量を依頼する必要があります。
また、訴訟では、騒音を発生させている入居者が誠実に対応しているかも重要な要素となりますので、騒音被害を訴える入居者から苦情を受けた後、訴訟を提起するに至るまでの経緯についてもできるだけ書面などによりまとめておいた方がよいでしょう。
まとめ
今回は、賃貸人が賃貸マンション・アパートの入居者から生活騒音の苦情を受けた場合にどのように対応するべきかについて説明しました。
賃貸マンション・アパートの生活騒音問題は、放置すると大きなトラブルに発展したり、退去者が続出して資産価値を低下させることにもなりかねません。
問題が大きくこじれてしまう前に、弁護士などの専門家に相談して、適切に対応するべきでしょう。