面会交流の方法について|手紙、電話、メール、写真など面会以外の方法もあり得る

現在、夫と離婚調停中です。子の面会交流について話し合っていますが、私はあまり子と夫を直接会わせたくはありません。面会交流はどのような方法があるのですか。

今回は、面会交流の方法について説明します。

面会交流調停・審判では、面会交流の方法が定められますが、その方法があらかじめ決まっているわけではありません。

面会交流の基本は、親子が直接会うことです。

しかし、父母の関係性、子の意向などによっては、まだ直接会うことまではできないという場合もあります。その場合は、手紙、電話、メール、写真のやり取りなど、面会以外の間接的な交流の方法が考えられます。

今回は、面会交流の方法について、どのようなものがあるのかについて説明します。

そもそも面会交流とは何かについて知りたい方は、次の記事を読んでみて下さい。

1 面会交流は実施されなければ意味がない

まず、最初に確認しておきたいのは、面会交流は実施されなければ意味がないということです。

監護親(子と同居している親)と非監護親(子と別居している親)は、面会交流調停・審判で定められた面会交流の方法に従う義務があります。日時・場所・方法が決められていたらそのとおり実施する義務があります。協議が必要とあれば、誠実に協議をしなければなりません。

しかし、両親が対立状態にあるときは、面会交流の内容に納得していない監護親が、調停・審判で定められたとおりに面会交流を実施しないことも多いです。また、子自身が面会交流の内容に心理的な負担を感じて実施を拒否することもよくあります。

監護親が調停・審判で決められたとおりに面会交流を実施することを拒絶した場合、強制執行という手段もあり得ますが、それでも監護親が従わない場合があります。子自身が面会交流を拒否している場合はそもそも監護親の自発的な面会交流の実現は困難です。

何より、そのような強制的な手段を用いると、子に心理的な負担を与えることとなり、結果として子の利益を害することとなってしまいます。

ですので、面会交流は、両親の関係、子の意向などから実行可能な内容とすることが必要です。

2 面会交流の基本は直接会うこと

非監護親との面会交流は、子の健全育成、人格形成に有益なものと考えられています。

ですので、家庭裁判所は、面会交流によって子の利益が害されるなどの特段の事情ない限り、原則として直接会うことを認めています。

監護親が非監護親に子を会わせたくない理由は様々です。

  • 子の連れ去り
  • 相手に居場所を知られたくない
  • 恐怖心
  • 子が相手から悪影響を受けないか

また、子自身が非監護親と直接会うことをかたくなに拒否することもあります。

しかし、父母が協力できる関係にあって、上記のような問題がなければ、子と非監護親が直接会うことにすることが多いです。

子と非監護親が直接会うことにするかどうかの判断基準については、次の記事を参照してください。

3 面会交流調停・審判条項はどの程度具体的にすべきか

具体的に、いつ、どこで、どのような方法で面会交流すべきかは、その都度、父母で話し合って決めるのが理想です。

父母それぞれ予定もあることですし、子の意向・状態を見ながら、面会交流の内容を変更していくことも必要ですし、それができるのは父母だからです。

もしそれができるなら、面会交流について具体的なことは定めず、その都度、父母で協議するという調停・審判条項とすることも可能でしょう。実際にかつては、「夏季休暇中の●日間旅行する方法で面会して、日程・行先については協議する」といった大枠だけを定める調停・審判条項もよくありました。

しかし、夫婦は多くの場合、不仲が原因で離婚するわけですから、完全にお互いのことを信用できるとは限りません。漠然とした内容の調停・審判条項とすると、面会交流の都度、日時・場所・方法について父母で紛争になるのではないかとの不安が残ります。

また、例えば、調停・審判条項どおりに面会交流が実施されなかったとすると、非監護親は、監護親に対して強制執行の申立ても可能となりますが、面会交流の内容が漠然なままでは、何を強制的にさせるべきなのかが特定できず、強制執行ができません。

そのため、面会交流は、具体的に定められている必要があります。そこで、最近は、面会交流調停・審判は具体的な内容の条項とすることが多いです。例えばこういった形です。

調停・審判条項例
  1. 相手方は、申立人に対し、申立人が当事者間の子●● ●●(平成●年●月●日生まれ)と面会交流をすることを認め、その時期及び回数を次の通り定める。
    (1) 令和●年●月●日午後●時から午後●時まで
    (2) 令和●年●月以降、毎月第1土曜日の午後●時から午後●時まで。ただし、第1日曜日に行えない場合は、第1日曜日のの午後●時から午後●時まで。
  2. 上記①の面会交流の場所は、申立人の肩書住所地とする。
  3. 上記①の面会交流においては、申立人は、相手方肩書住所地に上記子を迎えに行き、面会交流を行った後、上記1に定めた時間までに、相手方の肩書住所地に送り届ける。
  4. その他、面会交流に必要な事項は、当事者間で協議する。

面会交流調停・審判の手続の流れについて知りたい方は、こちらの記事が参考になると思います。

4 第三者の立会いは必要か

面会交流には応じる意向があるものの、監護親が非監護親に対して恐怖心を抱いており、直接会うことや連絡を取り合うことを拒絶していることがあります。また、父母が面会時に顔を合わせると、紛争になるおそれがあることを懸念していることがあります。

こういった状態のままでは、面会交流が実施できない事態になることもあり得ます。

そこで、家庭裁判所の実務では、親族や弁護士の付き添いを条件としたり、第三者機関の立会いや指示に従うことを条件として、面会交流を認める内容の調停・審判条項も多いです。

第三者機関としては、公益社団法人家庭問題情報センター(FPIC)などがあります。これらの団体は、有料により面会交流支援事業を行っていますが、一定の収入要件を満たす場合は、自治体が補助金を支給しているケースもあるようです。お住いの自治体に問い合わせてみるのも手でしょう。

5 直接会うことが困難な場合、手紙、電話、メール、写真のやり取りなどの方法もあり得る

5-1 直接会うことが困難な場合

子の健全な発達のためには、父母が離婚することとなっても、子と非監護親との交流を続けることは不可欠です。

上記のとおり、家庭裁判所は、面会交流によって子の利益が害されるなどの特段の事情ない限り、原則として直接会うことを認めています。

しかし、事案によっては、非監護親と子が直接会うことができない場合があります。非監護親と子が直接会うことができない原因は色々ありますが、例えば、次の①~④ような場合です。

  1. 非監護親に、子に対する虐待や連れ去りのおそれ、監護親に対する暴力のおそれがある場合
  2. 監護親が、子と非監護親が直接会うことを拒否しており、面会交流の協力を得られない場合
  3. 子が監護親と会うことを拒否している場合
  4. 子と非監護親が遠距離で暮らしている場合

①の場合、子の福祉が害されることは明らかです。直接会うことはもちろん、間接的な方法により交流することも許されるべきではありません。

これに対し、①の原因はなく、②~④が原因である場合、直接会うことが困難であっても、できることであれば間接的な方法により交流すべきと考えられます。

上記のとおり、子の健全な発達のためには、たとえ間接的な方法であっても、子と非監護親との交流を続けることは不可欠だからです。また、間接的な方法で交流を続ければ、監護親と非監護親の関係や子と非監護親の関係が、直接会うことができるものへと変化していくことも考えられます。

5-2 間接的な交流の方法

間接的な交流の方法は様々です。手紙や電話などは以前より行われている方法ですが、最近は新たな通信手段が次々と登場しており、メール・LINE・スカイプ・ZOOMなど交流の方法は一層多様化しています。引きこもりがちの子とオンラインゲームを通じて交流するという事例もあるようで、家族の数だけ交流の形があり得るといえるでしょう。

ただし、いずれの方法についてもメリット・デメリットがあります。子や監護親が直接会うことを拒否している理由を踏まえて、監護親にとって心配が少なく、子にとって心理的な負担とならない方法を採用するべきです。

直接会うことができないからといって、安易に間接的な交流の方法を認めることは慎重であるべきです。場合によっては、直接会う方が心理的な負担が小さくなることもあり得ることを考慮すべきでしょう。

いずれの方法が適しているかはケースバイケースといえますが、一般的に考えられるそれぞれの方法のメリット・デメリットを挙げておきます。

手紙

メリットデメリット
◆読むか読まないか、返事を書くか書かないかを子の自由に任せておけば、心理的負担は小さい。
◆メール・LINE・電話・ZOOMなどに比べ、双方向のやり取りが頻繁ではないので、子の心理的負担は小さい。
◆手紙が形として残るので、やり取りの蓄積を実感することができる。
◆手紙が家に届くため、監護親がやり取りの内容を把握しやすい。
◆返事を書くこととしておくと、手紙を書く習慣のない子にとっては心理的負担が大きい。
◆監護親や子に対する思いや意見を一方的に書いてしまいがちになる。

メール・LINE

メリットデメリット
◆手紙に比べて気軽に手間がかからずにやり取りができる。
◆通常は双方向のやり取りがされるものであるが、監護親が送ったメッセージを子が読むだけでも交流が成立し得る。
◆携帯電話やパソコンでやり取りがされるため、監護親がやり取りの内容を把握しにくい。
◆思春期の子などは、自分のアドレスやIDを非監護親に知られるのを嫌がる場合がある。
◆手軽に手間がかからずにやり取りができるため、子のことを考えずに際限なくメッセージを送り続けることがある。

電話・ZOOM・スカイプ

メリットデメリット
◆音声で会話をしたり、お互いの顔が見えるなど、直接会うのに近い交流ができる。
◆自宅で行えば、監護親もやり取りを把握することができる。
◆直接会うことを強く拒否している子にとっては心理的負担が大きい。

監護親からの写真や成績表の送付

メリットデメリット
◆子が非監護親との交流を拒否している場合でも成長を確認することができる。
◆通常は子の心理的負担が大きくない。
◆思春期の子で写真を撮られること自体を拒否する場合がある。

行事への参加

メリットデメリット
◆運動会や学芸会など多数の人が集まる行事では、子から気付かれることなく子の様子を確認できる。◆監護親の姿が見えなくても行事に出席しているだけで心理的負担を感じることがある。